「ネット依存症」がこのところHOTワードになっていますね。

2017年末にイヤホンをした状態でスマホと飲み物持って自転車を運転していて事故を起こした女子大生に先日有罪判決が出ましたし、インターネット依存症となっている中高生が93万人と推計されたこともしきりに報道されています。そしてこれらはいずれも「若い人」であり、それなりに重症度が高いところの話なんですが、これをもって「ネット依存症は怖い」と感じても、その一方でこの依存症を甘く見ていはいないかということを今日はお話したいと思います。


「ネット依存=スマホを片時も離せない人」だけではない

先程お伝えした2件の報道は、一方は「自転車に乗った状態で両手も塞いでスマホを見る」という無謀かつ自分本位なもので、まあ常識的な感覚を持つ人からすれば「そこまでスマホ見るか?」という感じがします。また中高生へのアンケートも「やめようとしたらイライラした」などの項目があり、それなりにヘビーなハマり方をしてる中高生が多いという印象を受けます。これらの報道を受けて「ネット依存って片時もスマホから目を離さないでやめることができず、繋がってないとイライラしちゃうような症状のことでしょ」と捉える人も少なくないでしょう。でもそれが大きな間違いじゃないかと思うんです。

インターネット依存症の症状には色々ある

ではインターネット依存症とはどれくらいの症状のことを指すのでしょうか?インターネット依存症を専門的に扱っているサイト「インターネットAddiction」ではその症状を軽度から重度まで分けて紹介しています。

そこで紹介されている症状において軽度のものには「携帯のメールを何度もcheckする(メールが来ていないと寂しい」「 毎日目的もないのにインターネットをしてしまう」「 掲示板に書き込む・書き込みの反応などが気になる」「 一日1時間以上ネットにつなぐ(仕事などの目的と自己責任があればOK)」「 ゲームやチャットに夢中になって夜更かししてしまう」などの項目があります。どうです?これぐらいだと当てはまりませんでしょうか。インターネット依存症自体がまだ新しいもので定義も機関によってマチマチではあるんですが、社会通念に照らし合わせてある程度妥当だと言えますし、その他の依存症においても必要以上に時間を浪費したり、そうしてしまったことに罪悪感を感じたり、その他の行動に支障が出ることを症状としているものは多いため、インターネットにも同じようにそれらが当てはまると思っていいいでしょう。これらの症状があるだけで軽度の依存症となっているとも言えるのです。

何気なくやっている行動が依存症の場合も

こういった症状に当てはめてみるとかなり多数の人が今現在該当している状態ではないでしょうか。例えば明確な目的が無いにもかかわらずなんとなくスマホを手にとって、そのまま数時間経ってしまった、など結構経験ある人も多いでしょう。そう、「繋がってないとイライラしちゃうような人」だけではなく、そこまではいってないと思っている人の多くが依存症というわけです。

これは本当にスマートフォンが出てきてからより顕著になっていて、見たいと感じた瞬間に見られるその操作性と携帯性の良さがアダになっています。またインターネットは次から次へと新しい情報が入ることで脳の報酬系への刺激が簡単に得られるような仕組みになっています。そしてスマホゲーに至っては更にそれを悪用しているような節さえある。SNSもいいねなど相手からの反応が報酬になります。また指で直接操作することもそれを助長します。このようにネットそしてスマホというのは依存症を生み出す要素のオンパレードなんです。だからこそ何気なくやっているつもりでも依存症になってしまうわけです。

依存症だと何が困るのか

ただ依存症だと言われても、「やめた際にイライラしているわけではない」とか「やってないときにソワソワとかしないけど?」という反論もあるかと思います。もちろんそうでしょう。そこまでいってしまうと、それはりっぱな重度の依存症ということになってしまいます。じゃあ軽度の依存症だと何も問題ないといえるでしょうか。答えはNOです。その行為によって失われている時間や集中力は実は相当なものです。また睡眠時間を削ってやってしまうという人は、そのことによって良質な睡眠と必要十分な睡眠時間を得られなくなってしまうので、そこから失われるパフォーマンスはかなり大きいです。

スマホ利用は基本的にストレスが溜まる

もちろん本人が趣味と公言して「〇時から△時までやるんだ!」と決めた上でその時間だけネットをやり、そのことによってきちんとストレス解消できているのなら問題ないでしょう(そうであれば依存症ではないわけですしね)。しかし多くの人はそうではありません。項目にもあったように目的なくネットを見てしまうことが多いですし(最初はあってもその後関係ないものをダラダラ見てしまうパターンも多いでしょう)、基本的にはスマホなどは過緊張状態を作りだすのでストレスは解消されず、むしろストレスが溜まるようになっているので解消となることはほとんど無いです。

損失した時間でかなりのことができる

そうやってストレスを解消するつもりで逆に溜めてしまうことはもちろん、本当にストレス解消になる行為ができた時間を消費してしまうことで二重のデメリットになるわけです。その他にも脳にきちんといい刺激を与える、何か得るものがある趣味をする時間も無くなります。例えば仕事から帰ったあとの2時間をただなんとなくスマホを見て過ごすとしてそれを年300日やると計600時間にもなります。600時間あったらかなり色々できますよね。もし帰って疲れてるのにそんなに何かしてられないという場合でも、ヒーリング音楽を聞くとかマッサージをするとか本当に回復につながる行為をすればいいんです。それこそ目的をもって映画のDVDなんか見るのでも構いません。それでもストレスは減るという研究結果はありますので。

要は目的意識もなくスマホでネットをするという行為はメリットが少なくかつ日常への影響が大きいんです。しかしそれなのについやってしまう。これが依存症じゃなくて何なのかという話です。

ネット依存症は身近なものであると意識すること

このようにネット依存症は非常に身近であり、スマホが普及した現代においてはかなり多くの人が陥っているものだということです。そこで大切なのはそれを認識することです。誰もが簡単に陥り、かつ影響が大きいものだと知っているだけで、全部は難しくとも少しづつ利用を抑制していけるでしょう。

別に自分はインターネットを目の敵にしたいわけではありません。ITは正しく扱えば人々の暮らしをより便利で豊かなものにするものです。ただその副作用としての堕落や無思考などを招きやすいものなので、そこを理解した上で適切につきあっていける人が一人でも増えていければいいと思います。