アパマン爆発事故から1ヶ月が経過しましたが未だいろいろと紛糾していますね。
事故で被害を受けた方の保証が進んでないなどの問題もまだまだあるようです。

一方でずっと話題になっているのが「除菌・消臭作業代」として、原価1000円程という問題のスプレーを噴射するだけで1~2万円ほど費用を請求していたことです。
もちろんそれ以前に、この事故の原因はそれすら未作業であり、それを隠匿するために大量のスプレーを一気に室内で噴射したことにあります。
なのでそもそも詐欺として扱うべき話なのかもしれません。

その上でこの件でのネット上の意見としてよく目にするのが
「作業するといってしないのは立派な詐欺なのでいけない。ただ人が動く人件費もあるのでスプレーを押すだけだとしても費用としては妥当」
というものです。
これに対して、正直「ちょっと待った」と思った次第です。
それは違うだろうと。

「料金が妥当」派の意見は大体こうです。
『スイッチを押すだけにしてもアパマンの営業がわざわざ部屋に行って動く時点で1~2時間ぐらいの時間を要すのでその分の人件費がかかる。そこに利益などが加わればその価格になるのは仕方ない』
みたいな感じですね。
確かに人が動いたらお金はかかりますし、それはこの日本ではないがしろにされがちなのでそこはしっかり請求される世の中になったほうが良いとは思います。
なのでかかる費用だけ見ればそうなんですが、その前提となっているやり方になぜ疑問を抱かないのかと思ってしまうわけです。
何故に不動産の営業職として働き、それなりの給料(一概にはそう言えないかもしれませんが)をもらっていて時間単価が高い従業員が「わざわざ」その業務に赴き、しかもその「1件だけのため」に動く必要があるのかということです。

例えば想像してみてください。自分の家の軒先にある1個の鉢植えに水をやりたいとします。
自分が今家にいないとして、それを往復2時間かかるところにいる人にわざわざ頼むのと同じことです。
実際それをお願いしたとすれば、費用として1~2万円かかってしまうでしょう。
ただ、それを頼みますかということなんです。
多くの人は石油王でもなければ土地をたくさん持ってる大金持ちでもありません。
なのでわざわざ人を使ってそんなこと頼まないわけです。
だから(やったと仮定して)実際それだけかかるとしても、それを知っていればそんなブルジョアなサービスは要らないとなるわけです。
「時給5万円の凄腕弁護士に2時間かけて運んできてもらった水なので10万円です」って言われて誰も納得して飲まないでしょう。
それと同じで依頼者にとって不必要な付加価値をつけて売ればそれはもうぼったくりなのです。

そもそも除菌消臭代として2万円と言われれば、依頼する側からすれば、
「そこをエリアとして回っている業者が訪問して原価3000円~5000円ぐらいの清掃作業をしてくれる」と期待しているわけです。
それが誰でも押せる消臭剤のノズルを押してるだけであれば、もはやそれは騙しているのに近いのです。
もちろん消費者側とて、当然それぐらいはやってくれるだろうという期待のもと、どういう作業か確認していないわけでそこに若干の落ち度はあるかと思います。
(そこを強引に契約させるのでそれも怪しいですが)
ただむしろそれは販売側がどういう作業をするかをきちんと説明しなければなりませんし、消費者契約法でもそういった説明義務があるので、そこについてもやはりアパマン側が悪いとなります。

そういう理由が色々と考えられるので「きちんとやっていれば除菌・消臭代は妥当」とはならないと思います。
まあ、それ以前に入居者がそんな費用負担をする必要が全くないんで、そもそも論外なんですけどね。