漫画全巻が1冊にまとまり、それしか読めないと割り切られた画期的な電子書籍が登場したようです。

今Kickstarterで出資を募っている「全巻一冊」というプロジェクトなのですが、これがなかなか見事にツボを付いた(上手く言いたかったわけじゃないです)ものに仕上がっています。

詳細は以下から確認してみて下さい

全巻一冊 — 革新的な読書体験


これ、要は北斗の拳の漫画がひとつの電子書籍端末に入っていて、これで全巻が読めるというシロモノなんですが、そのこだわりと割り切りが凄いんです。

まずこの端末は、北斗の拳を読むこと以外には使えません(!)。
これがもう凄いですよね、完全に割り切っちゃってるわけですよ。
機能をつければ他にも使えるであろう端末を専用機にしちゃってます。
これによって電子書籍ですが、単体の本としての性格が強いものになってるわけです。
そして筐体周りにも紙を使っているので持った感触はほぼほぼ「本」というこだわりっぷり。
さらにページ送りか翻訳しか機能がないので、Wi-Fiなどのわずらわしい操作がなく、ボタン類もシンプルで間違いようがないのも売りとなっています。
極めつけは充電池すら搭載せず単4電池4本での駆動ですから、そのわかりやすさへのこだわりは徹底しています。

そしてそもそも電子書籍としての性能にもかなりのこだわりを見せていて、300dpiという超高解像度だというから驚き。
筐体周りの紙にしても石灰石を使用したライメックスという素材を使うことで繰り返し使用してもへたれないように耐久性を高められています。


と、いうわけで今までありそうでなかった電子書籍の新しいカタチを見事にこのプロダクトは実現してくれているわけなんですね。

で、気になる価格はというと・・・37800円(今Kickstarterで支援すると販売予定価格の34%OFFの25000円の出資でゲットできます)
・・うん、わりと高いですよね。
ベースが「北斗の拳 究極版」なので一冊799円の全18巻だとして書籍の価格が14382円なので、単純に端末の価格が約23500円程しますね。

うーん、面白い試みですし端末の性能とかを考えると当然なんですけど、漫画全巻読むだけと考えるとさすがに高いかなーと躊躇してしまいそうです。
なんだろう、全集とか図鑑とかもっとコンテンツ自体が高価なものにしてしまうと端末の価格も気にならなくなると思うんですがね。
でもここはキャッチーで親しみのある漫画というコンテンツでインパクトを出したかったんだろうなっていうのもわかります。
これが普及したり、技術の進歩で安く製造できるようになることで、もっと安価になればいいのかもしれませんね。

実際これが形として受け入れられて普及すると色々とメリットがあるとは思います。
まず本屋というものがもう一度復権する可能性を秘めているということ。
形ある「本」として販売しますから、それを取り扱う本屋は必要です(ネット販売云々は置いておいて)。
また漫画という巻数が多く、通常の印刷している媒体ではかなりのスペースを取って網羅が難しいというのも、全巻が一冊なのでかなり解消します。
それこそ小さな町の本屋でもかなりの種類の漫画が置けるようになるでしょう。

そして電子書籍そのものの普及にもつながるかもしれません。
かなり書籍の電子化は進んではいるもののその普及率は日本ではいまいちと言っていいでしょう。
とくに年配の世代はそのメリットもあまりわかっておらず、色々と面倒であるというのもあって大して利用されていません。
でもこれなら面倒さはゼロですし、紙の本の感覚で読めますから親しんでもらえるでしょう。

こんな感じで様々な可能性は感じさせてくれるプロダクトなのは間違いないでしょう。
そもそもまだ始まったばかりのものなので高いだの云々言うのは無粋かもしれません。
これにポンとお金を払ってくれる方々に期待して、そこから普及することを願うようにします。

・・というか本末転倒かもしれませんが、個人的にはこの形で機能全部入りの端末が欲しいですね。
見開きで読めて本ライクな電子書籍端末自体が今のところ殆ど無いので。
そういう展開も今後あると嬉しい限りです。